2023年はマクブルーム、デビッドソン、ターリー、アンダーソン、コルニエルの5人の助っ人でカープを支えます!

コラム003.ー2008年広島カープ総括 -総合-

 

2008年の広島カープの総括を行います。1年間通しての総合的なチームの総括です。

1.交流戦がカギ

今シーズンはエース黒田・4番新井が抜けチームとしては変革の時期にあったと思う。ブラウン体制3年目で契約も今年で切れるので、去年・一昨年のように若手育成期間中では済まされない結果が求められるシーズンだった。

シーズンが始まると4月、5月と毎年そうだが、それほど弱くはなく5割付近の成績を残すのである。そして鬼門の交流戦で大きく負け越し、ずるずると浮上のきっかけを見出せぬままシーズン終盤までいくパターンばかりだったが、今シーズンは違った。

≪交流戦の成績≫

順位

試合

勝利

敗北

引分

勝率

貯金

2005年

11

36

11

24

1

.314

13.0

-13

2006年

9

36

16

20

0

.444

7.0

-4

2007年

12

24

5

18

1

.217

13.0

-13

2008年

6

24

13

11

0

.542

2.0

2

今シーズンの交流戦の先発投手はルイス6試合/大竹5試合/高橋健4試合/長谷川3試合/前田健2試合/篠田2試合/宮崎1試合/大島1試合。これを見てもわかるように2連戦が多いのでエース級を投入させやすいことと、ルイスが中4日で どんどん投げれたことが大きかった。ルイスは交流戦5勝1敗と去年の勝ち星を今年はたった一人であげたことになる。

ならば去年も同じ(24試合で2連戦が多い)ではないかと言う人もいるだろう。しかし去年の先発は黒田5試合/フェルナンデス5試合/青木高5試合/大竹4試合/高橋健4試合/長谷川1試合。これはほぼローテーション通りに投げていて 黒田でさえ3勝2敗である。

そういう意味ではルイスが中4日で5勝1敗というのがが大きな勝因になっている。もちろん他の投手も頑張ったからというのは言うまでもないことである。

*******

7月に入り横浜が大きく負け越して3位争いが中日・広島・ヤクルトに絞られていた矢先にまさかの7連敗を喫して5位に転落しずるずるいくかと思いきやここで粘れたのが大きかった。7月終わりで借金6を8月、9月で帳消しに出来た のはやはりファンの後押しもあっただろう。広島市民球場最後の年ということで、終盤でのホームの試合は毎日3万人が入り、今年の観客動員数は史上最高の139万人を動員した。

2.ブラウン采配

ここでブラウン采配について考えてみよう。

キャンプで12球団でも厳しい練習で有名だったカープの秋季練習とキャンプインの練習量を減らし、質を重視したこと。これにより怪我人が減り、ペナント中の故障者も減ったことはプラスの評価である。これは就任してから 3年間やってきたことである(練習の減少と怪我人の減少に因果関係を見出せないという人もいるでしょうが、怪我人が減ったことは事実なのでプラスと考える)。また、若手を積極的に使いチームとしての底上げができたのも 好材料だ。

しかし疑問に残ることもある。足を生かした野球をやりたいのだろうが、やたらとエンドランをしかけるがあまり成功していないのではないか。データがないので何とも言えないが、試合を見る限り成功率はあまり高くないと思う。 それよりももっと盗塁を増やすべきだ。チーム盗塁数は69個とリーグ3位。2007年は65個でリーグ3位。2006年は54個でリーグ4位。足の速い人材はいるのにそれを生かした野球が出来ていない。今シーズンも東出、天谷が13個、赤松が12個。 赤松は30個は目指せるはずだ(出塁率が今一歩ということもあるだろうが・・)。
それと、投手の交代のタイミングが遅い。4点、5点と取られないとなかなか交代させないシーンがあるが、試合を捨てているようなもので投手の精神的ショックも考慮すると早目に交代すべきケースがかなり見受けられる。

打線をやたらといじってなかなか固定できなかったことも問題だろう。特に前半戦は毎試合先発オーダーが変わり、一貫性のなさを感じた。

また、短期決戦があまり得意ではないように感じる。今シーズン終盤戦、中日と3位争いをしている中、残り8試合を残して中日と同率・引き分けも試合数も同じ状況で今からは総力戦というときなのに、いつも通りのローテーションでいつも どおりの中継ぎ登板と1試合も落とせない状況をあまり理解していないような采配だったのがとても残念に思った。(中日は川上が中継ぎに出てくるなど、あきらかに総力戦で臨んでいただけに・・・)

試合前ブラウン監督は「いつもどおりやろう」と選手に声をかけたそうだが、いつもどおりやっていては5割しか勝てないわけで、いつもと違う雰囲気で1戦必勝でやっていかなければならなかった。現に残り8試合でカープは3勝5敗。中日は 5勝3敗(しかも3位確定したあとの3敗だった)。

3.データでは

今シーズンは残塁がとても多いような気がする。残塁のデータがないので分からないが、安打数はリーグ1位だが、二塁打、三塁打はリーグ最下位、本塁打はリーグ4位。そして得点はリーグ5位。これの意味するところは、単打はよく出るが、 塁を掃除してくれる長距離砲がいない、またはチャンスで凡退が多いということである。その証拠に出塁率はリーグ2タイなのに長打率はリーグ5位である。来年は新球場なので二塁打、三塁打は増えるだろうが、本塁打は減るだろう。

投手に関しては四球が多すぎる(リーグワースト1位)。14与四死球で負けた試合もあり、全体的に言えることだが制球が課題だ。防御率はリーグ5位だったが、3点台でここ10年では一番いいのでこの点は評価できる。来年は3.50以下を目指したい。

4.来年に向けて

今シーズンはクライマックスシリーズ争いを最後まで演じ、広島市民球場最後の年と重なったことで、かなりの盛り上がりを見せたシーズンになった。しかし結果を見ればクライマックスシリーズ進出を逃し、おまけに勝ち越しまで逃して しまった。プロとして野球をやっている以上、結果が全てでありファンの期待に答えられなかったことは事実なのでこの点は深く反省してほしい。そして来年こそはこの2つの目標を達成して1991年以来夢見ているリーグ優勝を果たしてもらいたい。

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